元祖あて(档) 石川の県木

各都道府県にはシンボルとして、花・鳥・木を選定しています。更に魚や蝶や獣も選定しているところもあります。ところが、身近なはずのこれらを三つ共いえる人は意外に少ないようです。

興味のある人はこちらをどうぞ 全国知事会のサイトです。
http://www.nga.gr.jp/symbol/symbtop.html

石川県のシンボルは花は白山や立山に咲く高山植物の「クロユリ」
鳥は日本では最大の鷲「イヌワシ」。ちなみに、英名はジャパニーズ・ゴールデン・イーグル。プロ野球の東北楽天のチーム名になってます。
ついでに魚は6種7品、季節ごとに分かれていて、春はサヨリ(細魚)・カレイ(鰈)、夏はイカ(烏賊)、秋はアマエビ(甘海老)、冬はカニ(加能蟹・香箱蟹)・ブリ(鰤)になっています。獣・蝶は未選定です。

県木は「あて(档)」
「あて」と云われると他県の人にはピンと来ないと思います。「あて」はヒノキアスナロの変種です。産地としては能登の他は北海道・渡島半島、青森県、佐渡島・栃木県になります。青森県では「ヒバ」と呼ばれ、津軽が有力な原産地です。ちなみにこの「青森ヒバ」は青森の県木になっています。なので、青森と石川は呼び名は違うけれど同じ県木なんです。
青森の青森ヒバは建材として有名ですが、能登アテも建材として家屋に多く使用されていますが、更に石川の伝統工芸の輪島塗の輪島漆器の木地にも使用されています。これが県木として選定された要因になったと思われます。

石川県内の「あて」の最大・最古級の物は門前から輪島に向かう途中にあります。泉家の庭園から入った場所に2本の大きな「あて」があります。
樹高は共に約30メートル・幹周りは4.0と3.6メートル。
地元ではこの木から県内に広がったということで「元祖あて」と呼んでいます。
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この「あて」には伝承がありまして、大きく3説あります。
ひとつは1189年、奥州藤原氏の三代目・藤原秀衡の3男の藤原忠衡(別称・泉三郎)が奥州から逃れた際、津軽の苗木を2本持ってきて住み着いたというもの、当地の泉家は初代を藤原忠衡としています。
(史説では、藤原秀衡が源義経を大将軍にし鎌倉に対抗するという遺言・方針に対して反対派の兄で4代目・藤原泰衡が支持派の忠衡を誅殺したとされています。)
二つ目は天正年間(1573~)泉家19代当主が先祖の慰霊に奥州に旅した際、栃木の唐沢山城(佐野市)・奥州平泉から苗木を持ち帰ったというもの
三つ目は江戸期(1700年前後)加賀5代藩主・前田綱紀が南部藩にヒバの苗木を要請した際拒否されたため、津軽に藩士を潜入させて盗んできたというもの

諸説ありますが近年になって林業試験場の年代測定が行われ、この「元祖あて」は樹齢450年と測定され2番目の説が有力視されています。
DNA測定も行われたのですが、能登に広がる「あて」とは別種となっていて、この木から能登に広まったというのは疑問符がついています。
ただ、これを別にしても風格のある木は、最古級に変わりはなく、石川県や能登を代表する貴重な存在です。
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追記 案内板に書かれている昭和58年(1983年)の全国植樹祭での昭和天皇の御手植の木は、この「元祖あて」を植えたもので、津幡町の森林公園にあります。

旅行日 2011.10.01


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