高徳寺址 前田秀継夫妻の墓所

今石動城の初代城主・前田秀継が木舟城に移って3か月後、天正13年・(1586年)に天正の大地震が起こっています。
この地震により、木舟城は3丈(9メートル以上)以上も沈下し圧死した秀継夫妻の遺体発見には3日以上を要したと記録に残っています。

息子の前田利秀は当時弱冠18歳。石動山合戦を初陣にして末森城合戦・今石動合戦など大きな合戦を副将として経験していますが、現代でも多感な年齢で悲しみは深かったと思いますが、その後8年間の小矢部統治・北条攻めなど大活躍の働きを示しています。
その利秀が、両親の眠る地として選んだのが、この矢波地区にある高徳寺です。前面には宮島峡から流れる子撫川があり、ちょうど砺波平野に流れ出る位置にあります。静かな盆地地帯で現在も閑静な場所です。
ここから子撫川に沿って行く二つの街道は、一方がかつて秀継が居城とした津幡城に至り、もう一方は石動山系の山並みを越えて末森城に至ります。どちらも父と共に過ごした地です。
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越中は佐々氏の統治があったとはいえ真宗の影響が強く、宗教面の制約がきつい地域でした。また前田家は石動山合戦に見られるようにこの頃は宗教対決色が強い時期でした。高徳寺はそんな越中にあって規模は小さいながら当時唯一の曹洞宗の寺院でした。秀継が曹洞宗信者ということもありますが、小さな寺院を選んだのにはそんな事情もあったようです。

利秀が今石動城を主城として城下町を整備した際に、高徳寺は名前を真光山永傳寺と名を改めて石動城下に移り、秀継夫妻の菩提寺として続いています。ちなみに、真光山永傳寺の名は「真光」が母、「永傳」が父・秀継の戒名だそうです。
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菩提寺は移りましたが秀継夫妻の改葬は行われず、同じ場所に残されました。そこには利秀のこだわりがあったようです。高徳寺址には本堂と庫裏が残されていましたが、昭和初期に老朽化により取り壊されたそうです。
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高徳寺址に登り洒落た門を潜ったところに、「前田秀継夫妻の墓所」があります。そこには3基の供養塔が。左が秀継、真ん中がその室。右の小振りの物は利秀の死後、家臣によって作られた利秀の供養塔です。
利秀の墓は本行寺の石動(いするぎ)の町を見下ろす高台にありますが、26歳の若さで父の跡を受け駆け抜けた人生の利秀を家臣も最後は父母の側に眠らせてやりたいと思ったようです。
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高徳寺址は場所は解り易いですが、近くに駐車場がありません。要注意。

旅行日 2011.11.26

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