親不知 如砥如矢

昨年(H24)、このサイトで人気のあるgoさんのブログに、「一枚の写真~ウォルター・ウェストン像 という記事がUPされていました。
goさんの思い出の一枚の写真から人物像が書かれており、信州への思い入れが感じられて拝読しました。

ウォルター・ウェストンは登山が好きな人には「日本アルプスの父」として一般常識となるほどの有名な人物なんですが、、、、
山のことになると、ど素人の僕は、、、詳しい経歴を知らず、「日本アルプスの父」「親不知が日本アルプスの起点(北端)と提唱した人」「英国人の宣教師・登山家」 といった具合に箇条書き程度の認識しかありませんでした。このブログのおかげで、人となりを詳しく知ることができました
僕がウォルター・ウェストンを僅かながらに頭の片隅に残していたのは、いつものような書物やドキュメンタリー映像ではなく、やはり記念像でした。なかなか面白いポーズをとった像ということで印象に残っていたんです。

そのブロンズ像があるのが親不知
親不知は以前の日記にも書きましたが、親不知駅がある歌地区から青海川までが子不知。そして歌地区から市振の境川までが親不知になります。その親不知の最大の難所に当たる「天険(天下の険)」にある親不知観光ホテルの横を登ったコミュニティロードの展望台の横にウォルター・ウェストンのブロンズ像があります。

この像は明治27年(1894年)にウォルター・ウェストンが親不知を訪れた33歳当時の姿を、新潟出身の彫刻家・茂木 弘行が作製して昭和63年(1988年)に設置されたものです。ウェストンの全身像の彫像やレリーフとしては、国内唯一だそうです。
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ウェストン像が見つめる親不知コミュニティーロードの先にあるのが「如砥如矢」の文字が彫られた岸壁です。
ウェストンはこの文字のことも著書の中で紹介しているそうです。
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親不知コミュニティーロードの正式名は市道・天険親不知線
ウェストンが訪れた10年程前の明治16年(1883年)に完成した約900メートルの道路です。
それまでの天険は峻烈で切り立った岸壁のために、危険な海岸線を行くか険しく悪路の山越えをせねばならない、文字通り天下の険でした。
明治11年(1878年)、明治天皇の北陸巡幸が行われました。北陸各地にはその際の明治帝の御座所跡や休憩所など多くの史跡が残っています。石川にも湯涌の江戸村や創作の森に御座所に使った家屋があり、川北の芭蕉の渡しに記念碑など、他にも多く残っています。
その巡幸の際、明治天皇一行がここを通ることになったのですが、どう通るかが問題になったそうです。結局、当日は晴天微風でしたが、危険な海岸線は万一のことがあるということで、山越えの悪路を通っています。これが勤皇の地元各位には屈辱だったようで、一気に新道開通の機運につながったそうです。
新道開通後も何度かの改修・改良がおこなわれ、昭和41年(1966年)に天険トンネルが出来るまで利用運用されていました。現在は日本の道百選・土木協会土木遺産に選定されています。
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コミュニティーロードを市振の方向に歩くと、左には峻険な絶壁、右には50~80メートル下に崖と海が見られます。この900メートルの道をほとんど人力で開墾・建設した先人には頭が下がります。
中間点に灰褐色の一枚岩の岩壁があります。ここに幾つかの文字が刻まれています。「足下千丈」「天下の険」
そして前述したウェストンも観た「如砥如矢」
「如砥如矢」は新道建設を祝して、道路工事に尽力した青海の富岳磯平の書ということです。写真では小さく見えますが、一画が約1メートルの文字です。
「如砥如矢」の読みと意味は「とのごとくやのごとし」「砥石のように滑らかで弓矢のように真直ぐ」
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ウェストン像がある展望台からは親不知駅方向に四世代道路といわれる海岸線・国道8号線・北陸自動車道の海上道路が一度に見られます。何度見てもすごい場所だと思います。
思い出してみれば、僕が初めて転勤で新潟に足を踏み入れた際は、まだ北陸自動車道は建設中で、上越=朝日間はまだ開通していませんでした。国道も所々、狭い箇所や急カーブが多く、すれ違いも大変でした。
当然物流も今ほどスムーズではないため、福井・石川・富山で慣れた店舗がほとんどなく(大和と新潟市に秋吉が一軒くらい)。知らない土地だと不安になったものです。
ところが今では海上を片側2車線で走るんですから、隔世の感がありますねえ。
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展望台から市振方向を見ると絶壁が。。少し青海寄りに進んだ所にある母子像のある親不知記念広場から観ると天険の峻険さが尚更解ると思います。休憩がてら立ち寄って展望台に登ってみてください
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話が前後しますがウェストンが提唱した日本アルプスの北端・親不知は海抜0からアルプスへと登れる珍しい登山ルートになっています「栂海新道」。白鳥山・犬ヶ岳を経由して朝日岳を結ぶそうです。
親不知観光ホテルと道路を挟んだ所に登山口があります。休憩車両がよく急停車するんで要注意。
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旅行日 2013.07.07





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日本海を望む断崖絶壁に建ち、北陸街道の歴史を偲ぶ。


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この記事へのコメント

  • go

    つとつとさんこんにちは、親不知のウェストン像のことは私が安曇野のウェストンの記事を書いたときに、つとつとさんからお聞きしていましたが実際に見た事がありませんでした、全身の像で立派な像ですね、ポーズもこの手の銅像としてはユニークだと思います。
    ウェストンの記念碑や銅像などは全国に10か所ほどあるようですが、一番有名な上高地のレリーフや安曇野の胸像とくらべるとその違いに驚きました。
    登山家のウェストンの像が海にある事に違和感を覚える人も多いと思いますが、つとつとさんの記事にもある様にここから朝日岳を通って北アルプスが連なっている事を考えると頷けます。
    親不知は糸静構造線の端にあり特異な地形で、今でも造山運動が強く働いていてトンネルを掘削した時に大変苦労した話を聞いた事があります。
    私が北陸に来た頃にも北陸自動車道がなく八号線で長野へ行き来していました、最近は高速道で通り過ぎてしまいますが、一度寄り道してウェストンの像を見たいと思います。
    親不知の険のことについて、つとつとさんの記事で新しい知識が増えましたありがとうございます。
    2013年08月17日 11:32
  • がにちゃん

    上高地のウエストン三しか知りませんでした
    ダンディなウエストンさんが目に浮かびますね
    2013年08月17日 18:00
  • つとつと

    goさん
    勝手にお名前を使ってしまって申し訳ありません_。。_
    まだ若かりし頃のウェストンをモデルにしたんで、シャープな雰囲気があるかも。
    こちらでも、登山シーズンの幕開けには「海のウェストン祭」として開催しているそうです。
    親不知の天険断崖の下はさすがに通れませんが、記念広場の脇から海岸に降りて、海から登山のスタートにする人も多いようです。

    実際には新潟なんですが、このトンネルを抜けると富山・新潟に入るという気がして、ホッとするような気がします。まだまだ難所は多いんですが
    2013年08月18日 11:36
  • つとつと

    がにちゃんさん
    がにちゃんさんもウェストンさんをご存知でしたか^^
    まだ30代のウェストンさんがここにいます。県外からだと高速道で通り過ぎちゃうんでなかなか会えないんですが、機会があったら親不知のウェストンさんとピアパークの日本一大きいウミガメの像に会ってみてください^^
    2013年08月18日 11:40
  • tor

    ウェストン氏は日本アルプスだけでなく他の日本の山に登り世界に紹介された方ですね。祖母山の近くにも碑があります。「天険親不知線」はすごい崖につくられてますね。工事は大変だったと思います。なぜか「青の洞門」を思い出しました。
    2017年09月30日 21:38
  • つとつと

    torさん
    山に関しては全く解っていない僕は日本アルプスの父とか宣教師として名前を記憶していた人物です。親不知(おやしらず)が日本アルプスの北限の起点と提唱したことと、この彫像で名前を憶えていたんです。
    親不知・子不知(こしらず)は断崖の海岸線で、東海道の薩埵(さった)峠と並び称される難所です。この難所のおかげで、富山・石川と新潟の物流が滞って、全く違う文化が昭和末まで続いていました。
    2017年10月01日 09:35

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