弁天島(弁天岩)

能生でのんびりと観光してたんですが、、、、
考えてみれば、石川・上越間を何度も往復してる割には、じっくりと観て回ったことがなかったんです。
今回が初めての能生での名所巡りだったかもしれません。

能生町のシンボル的存在は今回の弁天岩だと思いますね。
先にも書いたように、8号線を何度も通っている割には、ここに立ち寄ったことがなかったんです。
石川から車で走ると、能生町の住宅街を抜けて、勾配のカーブを解放感と共にアクセルを踏み込んでいる場所なんですね。天候の良し悪しに関係なく、ゴツゴツした岩山のような島に赤い欄干の橋を横目できれいだなあと思いつつ通り過ぎてましたから。上越出身の嫁さんはあの島なら見たことがあるということで、寄ろうとは言わないですから。。帰り道は大概、夜で急ぐから闇夜を通り過ぎるだけですからねえ。。
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と、いうわけで、初めてこの島に渡ってみたわけです。それとこの弁天岩は石川県とは浅からぬ縁もありますからね。
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能生海岸はゴツゴツした岩が沿岸沿いに観られるのですが、この岩場は安山岩・凝灰岩など火山性鉱物や砂泥岩で形成されています。これらのほとんどが100~300万年程前の海底火山の爆発による噴出物や海底隆起でできた物と云われています。

先の記事で紹介した「マリンドリーム」の辺りは広大な空き地に観えますが、筒石駅でも書きましたが12キロに及ぶ頸城トンネルの工事の際の掘削土砂の利用が問題になり、海岸を埋め立てたものです。もったいないと思う人も多いと思いますが、能生・谷浜の辺りに行くと解りますが、海に迫る山の間、狭い隙間に町がある土地柄なんですね。国道8号もひたすら海岸沿いを走ることになります。
当然ながら、大型施設を造れるような場所はありませんから、生活や観光を考えると、ついつい納得してしまいます。
ちなみに越山丸から観えるひよこに似てると云われる「トットコ岩」も弁天岩が形成された頃に出来た物です。

と、いうわけで弁天島に初上陸
海岸からは赤い欄干の曙橋を歩いて渡れます。橋のたもとに野口雨情の歌碑があります。
       「能生の弁天岩 どんと波おいて いつも弁天様 どんと波見てる」
野口雨情は詩人として北原白秋・西条八十と並び称されるほどですが、作詞家としても童謡・民謡に著名な作品が多く残っています。「十五夜お月さん」「七つの子」「赤い靴」「シャボン玉」「雨降りお月さん」「証城寺の狸囃子」など、みんなが知っているものばかり。民謡協会の初代会長にもなっていて昭和初期に全国を渡り歩いており、各地に歌碑や足跡があります。 前に書いた石川・富来の福浦港でも紹介したことがあります。
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赤い欄干が目立つ曙橋ですが、この橋のおかげで誰でも弁天岩に行けます。

弁天島は岩島の弁天と三つの岩で構成されています。島と書きましたが、実際には海底から地面が固定した岩になります。
四つの岩の内、弁天と中弁天には行っていけないことはありませんが、岩場を上り下りしなければならないですし、今回は釣りをしている人がいたんで、弁天だけにしておきました。頂上に登ったついでなんで弁天岩の周囲をぐるっと回ってきました。ここは魚影も濃くて、穴場になってるそうです。
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国道を走っていると、弁天岩には眼につく二つの鳥居と屋根と燈台。

一ノ鳥居と屋根のある祠は厳島神社。もちろん、広島の「安芸の宮島」の厳島神社が総本社になります。
祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。市杵島姫は日本神話の中では、スサノオが神々の怒りを買った際に、姉のアマテラスを訪ねて、天の真名井の地で疑心を抱くアマテラスに対してスサノオの誠意を図る行為が行われたのですが、その際にスサノオの剣をアマテラスが噛み砕いた際に生まれた3人の女神の一人です。
ちなみに、アマテラスの玉をスサノオが使って生まれたのが5人の男神でした。逆という説もあります。
とにかく、スサノオがアマテラスに証明勝ちしたという神話です。
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この3人の女神は合わせて、宗像三女神(むなかた)と呼ばれ、九州と朝鮮半島の間の玄界灘の守り神になったのが始まりです。姉妹の多紀理毘売命(たぎりひめのみこと)・多岐都比売命(たぎつひめのみこと)は名前の通り海流や嵐・霧の守り神ですが、市杵島姫は海に仕える島の斎姫と云われています。
後年、天孫降臨の際、瓊瓊杵尊(ににぎにのみこと)の養育係となったともされています。
後世になって仏教の弁才天と合わされ、神仏習合時代は弁財天と同一神と疑されています。つまり七福神の弁天様
名前からも解るように厳島はこの名前が変形したものとされています。

このことから海の守り神として湊町で祀られていることが多いのです。
弁天岩の厳島神社は近くにある能生白山神社の摂社となっており、本尊の弁財天像は平素は白山神社に秘仏として保管されており、60年に一度の本開帳、30年に一度の中開帳として、この場所でご開帳されています。
平成18年(2006年)に本開帳が行われていますから、次回は23年後の中開帳になります。

更に横にある二の鳥居をくぐって山頂に行くことが出来ます。
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能生漁港にとっては、港の出入口の突端にある貴重な目印ですから、岩山の山頂にはもちろん灯台もあるんですが、燈台の脇には小さな祠があります。こちらは龍神を祀っています。
山形県鶴岡市の善宝寺の龍神が祭られています。こちらも本尊は白山神社に保管されていて、年に一度の催事に開帳されているそうです。その他にも石仏があったと思われる跡が点在しています。
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山頂に登ると海が近く見えます。岩山の地肌が茶褐色ですから海の色が冴えるんですね。
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海底火山の隆起と堆積による貴重な島であり、今年9月に再認定された世界ジオパークになる糸魚川ジオパークの東端に当たり、同じく日本列島を二分する糸魚川-静岡構造線(フォッサマグナ)の糸魚川側の東端になります。自然の遺産として貴重な場所の一つです。

最後になってしまいましたが、この弁天岩は僕の住む石川とは浅からぬ縁のある場所です。

厳島神社の市杵島姫命は、輪島の朝市の守り神として祀られている市姫社となっています。

また冬の恒例行事(国重要無形文化財)となっている気多大社鵜祭り。12/16に毎年行われており、古くから伝わる猟法で3日前に捕らえた鵜を本殿で離して、明かりにつられて止まり木に掴まる様子で翌年の吉兆を占うものなんですが、、、、、残念ながら、昨年(H24)は冬の悪天候で鵜を捕まえられず、行事が中止になってしまいましたが、、、、
占いが終わった後、鵜ノ神様として野に放たれて飛び立っていくのですが、この鵜が目指して到達するのが、能生の弁天岩だと古くから言い伝えられています。

というわけで、石川県人にも縁浅からぬ場所になります。


旅行日 2012.10.14