七ツ滝

咳風邪が治ったと思ったら、お腹に来て約3週間トイレに行ったり来たりで、とにかくあまり動けなかった先月までの半年間。
今はすっかり元気になって、美味しく物が食べれるようになりましたが、半年近く自重して体を動かさないようにしていたら、すっかり足腰が弱ってしまいました。ここ一か月は外回りでも歩くようにして、時間余ったら緩い山なんかを登るようにして鍛え直しています。でもまだまだですねえ。けっこうそれでヘマをやらかしちゃうんです。
というわけで、この日も小松からの帰り道、ちょこっと寄り道をしてきました。

小松から産業道路で金沢方向に走って、川北大橋の手前を右折すると、北陸先端科学大学院大学(JAIST)という長い名前の大学と付属施設を中心にサイエンスパークと呼ばれる国や県の研究施設、ベンチャー企業の施設、さらにはそれらとの産学関連施設が丘陵の上にあります。
ところで地元では先端大と呼んでいますが、実態というか詳しいことは意外に知られていません。僕もよく知らなかったんですが、営業で先端大や県施設に行く機会があり、学生や教育関係者のお客さんもいたので、多少教えてもらう機会が有りました。

大学院大学というのは、一般大学とは違って学部というものが存在しません。専門分野の研究者や教育者の育成を目的にしています。一般大学の大学院を特化したものと云えば話が早いかもしれません。学士課程の大学がないので、高専出身者、他大学出身者や企業在籍者、留学生が多いことが特徴です。現在は国の方針で、私学の大学院大学が増え、一般大学も大学院を重視化して特化している物も増えています。
ただ、大学院大学が増えて博士や研究者は増えても、就職する教育機関や研究機関の整備が遅れて就職難があるのが課題になっています。

北陸先端大は東京工業大学が計画立案して出来た大学院大学で、平成2年(1990年)に総研大(総合研究大学院大学)に次ぐ国立としては全国2番目に開学しています。
前期2年、後期3年、学習・研究に費やされ、主題試験・論文に副テーマも同じ内容で必修で学生は寝る暇もないと嘆いていました。ある意味徹底主義で、、そういえば、それを教えてくれた学生が、余計な先入観を持たないために在籍中は他人や他の学生や教授に、出身大学・学科・専攻を云うのは厳禁なんだと、それで話の種に困る時があると苦笑してました。留学生中心の先端領域基礎教育院、知識科学・情報科学・マテリアルサイエンスの三研究科、東京サテライトの社会人コースで構成されています。特に情報通信・暗号理論は全国トップという評価があります。

石川県では一般人は金沢大学をトップだとみる傾向がありますが、こと科学分野、情報・通信分野、リチウム研究などの化学材料工学においては、格段のトップレベルの大学です。
聞いた話では研究者一人当たりの発表論文数も全国トップクラスで、博士号を取得してない学生研究者が研究・論文で認められ、世界会議で発表したり、招待出席などというのもあるんだそうです。

北陸先端科学大学院大学のことを長々と書いてしまいましたが、この先端大を核にしたサイエンスパークの辰口丘陵の南側に長滝町がありますが、ここには手取川を水源にして丘陵を通って流れ落ちる川があります。この川は長滝町の集落に水を与えて、宮竹用水に合流して下流に流れています。
穀倉地帯とも云える能美の加賀平野にとって、川や用水路は大事な存在で神ともいえる存在です。
長滝町もこの自分たちの耕地に恵みを与えるこの川を神格化していました。丘陵上からの高低差約50メートル、約1キロの区間にある滝を七ツ滝として神格・瀧浪神として山の中腹に神社を築いて祀っていました。

今回はこの七ツ滝へとやって来たわけです。職場の拠点からも川北大橋を渡ればすぐ近くなのですが、訪れたのは、本当に久しぶり^^;今回は先端大の中を回り込むように来たけど、
金沢方向からの場合は、川北大橋を渡って一つ目か二つ目の信号を左折して更に交差点を右折して道なりに進むと、長滝の案内板があるんで、そこを右側に進むと長滝町の集落に入れます。
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集落の通りを抜けると谷間に広がる田園が広がっています。
猪除けのフェンスが設置されていますが、そこを抜けて小川沿いに進むと、炭焼き小屋と簡易トイレのある広場にでます。ここが七ツ滝への入り口になります。画像では軽トラが出て来た広場です。
ちなみに猪除けのフェンスのゲートが締まっている際は、自分で開閉して入れますが、出るときには必ず閉めて帰りましょう。
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この七ツ滝のある森は、西日本に多い照葉樹林によって構成されているそうです。スダジイ・ウラジロガシ、自生のサカキ、更にここが北限とされるツクバネガシがあるそうです。中部以西でシイタケ栽培の灌木に使用される木です。また、ドングリが実ることでも知られています。夏以降に来るとよく地面に転がっています。草花もトネリコ、ミヤマウメモドキ、コオニユリの希少品種も咲くそうです。
今回は晴れの日が続き、水量が少なく滝や川にはあまり水が多くありませんでした。雪解けの水がある3月初旬や雨の続いた後がお奨めです。2月まではけっこう雪が深い場所なので、ご注意を
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今回は水量が少なくて、一部貧弱なものにもなっていますが、、、、
七ツ滝は下流から、六・五・四・三・二・一の滝が順に続いています。その総延長1050m、一の滝から六の滝までの高低差50メートル程です。個別の滝はそれ程、豪壮なものではありませんが、石川では珍しい照葉樹林で冬場でも緑が観られます。

六の滝
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                五の滝
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四の滝
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三の滝・・・七ツ滝の中で最大の高低差を誇るのがこの三の滝
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二の滝
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一の滝・・・江戸時代の紀行文によると、当時はこの一の滝が最大の大きさと高さがあったようです。滝壺も異常な深さがあったようで、無数のウナギと巨大ウナギが巣食っていると伝承されていました。
安政2年(1855年)に史家・小倉有年が、鶴来から山代までの旅行を記した紀行文の中で、地元・宮竹の案内人に聞いたという話を記しています。
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小倉有年・文
さて、一の滝の滝坪深き事甚だしく、鰻多きよし、長滝の里人それをとらんとて、一の滝へ行けば、同村火煙上りて、火事にやと、驚き帰りみれば何の仔細もなし。また滝坪のあたりにゆけば、先の如くにて立ち帰り、か様の事毎度多し。終に鰻を取り得し事なきなりと。宮竹の市右衛門申しき。

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二の滝の上部に、前述の小倉有年の「長滝滝の図」と共に案内板があるのですが、長年の汚れと傷で読みにくい物になっています。できれば、実物を読みたいものです。
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案内板によれば、小倉有年はこの図の中で、山頂の杉の大木と一~三の滝の様子を記しているそうです。特に一の滝に関しては、別名で大滝と呼ばれることと滝の高さ、幅まで記載されているそうです。二の滝・三の滝については「誠に白布ををさらせるごとし」と美しさを称えているそうです。
小倉有年の友人・森田柿園(もりたしえん)が地誌「加賀志徴」の中で、小倉有年が滝を歌った和歌を紹介しているそうです。  まだ知らぬ 人に見せばや 神代より 絶えぬ流の この滝つ瀬を

あれれ、、七ツ滝と云いながら、六つしかないじゃないかという方が居ると思います。七の滝は六つの滝からはずいぶん離れた場所にあり、長滝町集落の入り口にある瀧浪神社の鳥居前にあります。
人工的な堰堤として手が加えられており、ちょっと雰囲気が違います。まあ、六つで我慢してよと云いたいですが一応画像をどうぞ。水量が少なく滝になってませんが、水量が多い時は勢いがあります。
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一の滝を撮影した際に滝上部の石に乗って撮影したんですが、ここでハプニング発生。岸辺に戻ろうとした途端、濡れた石に足を滑らせてステ~~ン 仰向けに水に転んでしまいました。いつもなら、あんなに見事に転ばないんですが、まだまだ足腰が鈍っていたようです。いや~~滝壺に転落しなくて良かったあ う~~ 大ウナギの祟りか 日頃の行いの報いか
でも、おかげでシャツやネクタイ、スラックスはドロドロ、ポーチもスニーカーもずぶ濡れで泥だらけ、、一番痛かったのはメガネも吹っ飛んで行方不明になったこと やはり無理をしちゃいけませんねえ 反省

本当は、先にある賽の河原や経塚、三角点、旧瀧浪神社の跡地なんかも再訪したかったんですが、この体たらくで服はボロボロ、水量の少ない澱んだ泥で臭い体ではどうにもならず、撤退してきました。必ず再訪リベンジします 

前述した瀧浪神社には立ち寄っていたんで紹介しましょう。瀧浪神社は元々は七ツ滝のある丘陵の中腹にありました。創建年代は不明ですが古い歴史を持ち、前述のとおり七つの岩に落ちる滝を祭神とするという地元に根づいて、古代から続く珍しい神社です。
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「読日本後記」の嘉祥2年(849年)の条に、瀧浪社を従5位下に叙するという記述があるそうです。古神社の戸籍帳とも云える「延喜式神名帳」にも記されている列記とした式内社になります。ただし、式内帳では瀧浪ではなく「多岐奈弥神社」と記されているそうです。
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ちなみに、古代日本の国家事業として編纂した国史が六書あります。総称して「六国史(りっこくし)」。日本書紀、続日本紀、日本後記、続日本後記、日本文徳天皇実録、日本三代実録を云います。日本には国家編纂の国史はこの六書だけで、以降は計画はされても実現していませんでした。明治になって大日本資料が編纂されますが、これは国書に準ずる扱いというより、あくまで国編纂の資料集になります。最近。発行された昭和天皇実録を含め孝明天皇以降の実録は宮内省庁編纂で、大正天皇などは編纂自体が秘密で、公開されたのはついこの間です。しかも、墨の塗りつぶしつき。。。毎度思いますが、日本史の研究にとって、宮内庁の壁は大きな障壁になっています。
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瀧浪神社は元々は七ツ滝の在る山の中腹にあったのですが、明治22年(1889年)に現在地に遷座しています。その際に、平安末期~鎌倉期の神鏡8枚を納めた珠洲焼の壺・加賀焼の片口鉢・鉄刀が出土しており、古くからの信仰を集めたことを証明しています。
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家に帰って、風呂に入って泥や藻を落とし、スニーカーもお湯洗いを2.3日続きで、おかげで御風呂場が汚れたと嫁さんに怒られちゃいました。
急遽、眼鏡屋さんにも出かけて新しい眼鏡を注文、今回は嫁さんと娘の忠告でグレーカラーのフレームに、今まで柔らかイメージで赤を使っていたんで、今回はちょっとダンディに見えるかなあと、、、、久しぶりの鯖江モデル^^;
レンズに極薄のカラーを入れるため、仕上がりには1週間。それまでは度の合わない予備メガネの不自由な生活に。。

旅行日 2015.07.14




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この記事へのコメント

  • イータン

    こんにちは~

    咳風邪 大変でしたね 
    知人に中々 咳が良くならないのでへ行ったら咳喘息と言われたそうです。
    同じ咳でも色々 あるようで お腹も大変でしたね。
    良くなったからといって無理しないで下さいね。

    七ッ滝の森 風情ありますね
    新緑の頃もグーですが、紅葉の季節に行きたい所でもありますね。
    滝の一つ一つもそれぞれ、魅力ありますね
    2015年07月20日 16:35
  • がにちゃん

    大変 災難でしたね 大きなけがが無くて良かったです
    七ツ滝 水音 聞きながらのウォーキング 涼しげで良いですね
    次回のリベンジ記事楽しみにしています
    風邪 咳 お腹の具合惠お続けさま でも良くなられてよかったです
    私も最近やっと腰の具合がましになって ボチボチ歩き始めています
    元気に過ごせなければ楽しくありませんものね
    無理せず元気にうろついています(笑)
    2015年07月20日 17:03
  • つとつと

    イータンさん
    咳は辛かったですねえ。。なんせ仕事が営業なんで、しゃべれないと最悪ですからね。。長期間の下痢もタイヘンで、しばらくひからびていました。。やっと館長に近づいたって感じ

    白山麓の入り口なんで、平地と山並が両方楽しめる良い場所。。ただ照葉樹だから紅葉はあまり期待できないですが、ドングリがたくさん見られます^^
    2015年07月21日 08:32
  • つとつと

    がにちゃんさん
    反射的に体を捻って、上流に身体を剥けたのが良かったみたい。でもみごとに掌に擦り傷が出来てました><
    やはり、元気じゃないと、出かけられないし、好きなこともできないから、スタミナをつけるようにボチボチいきます。
    2015年07月21日 08:36
  • まだこもよ

    私は・・最初に「お腹」にきましたけど・・・(咳は最後だった)大変でしたね!
    「滝」・・・見ているだけで…涼しくなります!
    2015年07月21日 09:59
  • メミコ

    暑いですね  お元気になられて良かったです  でも この暑さが身にこたえます  どうぞご自愛ください

    さて先端大・・・初めて知りました 科学専門の大学院大学が意外とあるんですよね  自分の身近には神奈川工科大学というロボット研究に力を入れてる大学があります


    そして 夏の涼味 滝・・・いいですね~いろんな滝はどれも気持ち良く 体にも心にも優しい英気をくれますね

    神奈川県北部の酒水の滝というのも こちらでは人気スポットです

    神㈹より人知れず流れる滝には 神々しさを感じます
    2015年07月21日 10:27
  • go

    しつこい風邪で大変でしたね、それに病み上がりの足腰がしっかりしていない時に滑って転んでとんだ災難でした、眼鏡を無くしたり着ているものが泥だらけになってさんざんでしたが頭を打たなくて不幸中の幸いでした。
    滝巡りの遊歩道や東屋が有る様に見えますが、この川の流れで稲作や田畑の灌漑になっているので里の人たちが大切にしている事が分かります。
    つとつとさんの記事を読んでまた行きたい所がひとつ増えました、今日のような熱い日に涼を求めて滝巡りは最適なようです。
    2015年07月21日 14:24
  • つとつと

    まだこもよさん
    咳もお腹もどっちにしても辛いのは一緒><
    やはり健康が一番です。体にはお互い十分注意しましょう^^;

    夏の滝は水量は物足りませんが、涼感を貰うには最適な場所ですね^^
    能美市は平野がほとんどで、見頃な滝があるのはここだけ貴重な存在です。
    2015年07月23日 04:20
  • つとつと

    メミコさん
    今回は夏前の体力温存の時期に風邪で苦しんだんで、夏を乗り切れるか不安です
    毎年、夏バテするんですが今年は穏忍自重で無理をしないようにします^^
    ロボット工学は今脚光を浴びてますからねえ。たまになんですが、高専のロボコンや大学対抗のロボット大会は技術力のUPもそうですが、若い人の発想には驚かされます。こちらでも金沢工業大がロボット世界大会に何度か出場しています。
    滝といえば直下型の滝を想像しがちですが、いろんな形態があって眼を惹きつけられます。夏場は水量は抑えられますが、涼しさと水の流れはいつまでも立ち去り難いものがあります。酒水の滝^^僕も一度見たいと思ってる滝です。滝百選だけじゃなくて名水百選にも選ばれるのはなかなかありませんからねえ^O^
    石川の滝百選は、白山スーパー林道から白山白川郷ホワイトロードに名前が変わったんですがそこに2滝あります。料金も安くなったし、今年は行きたいと思ってるんです。
    2015年07月23日 04:41
  • つとつと

    goさん
    いやはや、あんなに見事にひっくり返ったのは久しぶりです。滑った瞬間に水の方に身体を捻って助かりました。まだまだ反射神経は生きてたみたいです^^/
    この水の流れは古くから地元にとって貴重な水で美しい田園を潤してきたそうです。神様にまでなってる滝はそうそうある物ではないですからねえ
    長滝からは登りで滝を順番に見られますが、登り切ると突然広場に抜けてサイエンスパークのビルが眼の前に見られて、自然と科学が両極の姿になって驚かされます。
    能美市ではまともな滝はここだけなんだそうです。そんなに大きくないですがなかなか貴重な存在です。サイエンスパークも造成整備がほとんど完了してるので、なかなか綺麗な道の風景になっていました。
    2015年07月23日 04:52
  • がにちゃん

    お聞きします  コメント書き込みが会員用のみになっています  コメントのみはでの書き込みはこれからは出来ないのでしょうか 
    2015年07月29日 11:09

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  • Excerpt: 以前、不動滝で鶴来八景を紹介したことがありますが、その八景の中に「天狗橋納涼」というのがあります。天狗橋は手取川に架かる橋で加賀禅定道の入り口となる白山比咩神社のある鶴来と能美・辰口を繋ぐ貴重な存在で..
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