木場潟公園

加賀の小松から加賀にかけて、太古には大小の湖沼がありました。特に大きな湖沼は三つあって加賀三湖と呼ばれていました。手取川以南は加賀の国が成立前(弘仁14年(823年))は、江沼郡と呼ばれていましたが江沼はこの加賀三湖にちなんだものと云われています。

この加賀三湖は、今江湖・柴山潟・木場潟を云うのですが、前述の今江潟は総面積5.8平方キロメートルと三湖では最大の大きさでしたが(以前紹介した今江城から小松空港に至る広い田園地帯)、渇水・洪水対策と農作地拡大策で昭和43年(1968年)に全面干拓されています。
また、柴山潟は江戸時代に温泉が発見されて、江戸期から温泉利用のために干拓・埋立が試みられていましたが、明治に干拓が進んで今江潟と同時期に完成しています。全盛期は今江潟に迫る面積でしたが、現在は古来の三分の一(1.92平方キロメートル)の面積になっています。埋立地はご存知の片山津温泉街が建ち、柴山潟は片山津のシンボル的存在になっています。
三湖の中では一番小さい湖(1.13平方キロメートル)でしたが、唯一干拓や埋め立てから免れたのが木場潟です。
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加賀や小松からは郊外になり、南の日用川が水を運び木場潟となり、北の前川から流れ出て小松市街の南を流れて安宅の河口近くで梯川(かけはしがわ)と合流して日本海に流れ出ています。
古くから地域の貴重な農業水源でもありました。自然のままの形で残っており、水生植物や野鳥の宝庫になっています。
昭和57年(1982年)に県営公園として整備、木場潟公園として開園しています。
この木場潟の外周(外周6.4キロ)には遊歩道が整備され、春には1300本の桜並木、木場潟越しの白山の眺望が楽しめます。東西南北の四か所に園地が設けられており、施設での休憩や広い芝生園地でのんびりできます。
湖面では中央園地からのカヌー、南園地からのボートが楽しめ、その姿も各園地から望むことができます。

今年5月、中央園地で天皇・皇后陛下臨席で全国植樹祭が行われました。石川県で全国植樹祭が行われたのは昭和58年(1983年)に津幡町の森林公園をメイン会場にして以来です。植樹祭のメイン会場は各都道府県を代表する自然公園で行われますから、木場潟公園が現在の石川を代表する自然共生公園と云えると思います。
ちなみに、植樹祭への天皇陛下の臨席は、今上天皇の年間行事の中で「三大行幸啓」と呼ぶ重要行事の一つです。この三大行幸は皇后陛下も同行するためとされています。
三大行幸は全国植樹祭の他に、「国民体育大会(国体)」「全国豊かな海づくり大会」になります。ちなみに三番目の海づくりと云いつつ、海なし県の滋賀・岐阜でも開催されています。
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さて、この日は台風が通過中のはずだったんですが、、、確かに前日や午前中は多少雨降りで風吹きだったんですが、午後からは晴れ間が出て良い感じ。。本当に台風が来てるのって感じ。。
実際には能登では強風でケガ人も出てるし、雨もひどかったようですが、加賀の方はいたってのどか。。。
今回の台風では離れた栃木、茨城、福島、宮城では大変なことになっています。被害に遭われた方が心配です。
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南小松に用事がありましてその帰り道。ちょこっと休憩がてら木場潟公園に寄ってみることに
今回は西園地に来ました。西園地は四つの園地の中では、センターや運動広場のある中央園地や北園地、ボート乗り場のある南園地と違って、広い芝生広場があるだけなんですが、駐車場から園地までの距離が短いのが最大の長所。それと天気が良いと湖越しに冠雪した白山が綺麗に観られる絶景ポイント。
今年の4月に展望休憩所が完成して、屋内でガラス越しに景色を観られるようにもなっています。
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午前に降った雨で芝生や地面が濡れていて、芝生に座ったり寝転んだりすることはできませんでした。
そのかわり雨で生き返った芝生や雨に洗われた木の葉で、青空と湖面、芝生や湖岸のヨシなどがくっきりしていました。残念だったのは白山は厚い雲に覆われて観えなかったこと、。。。風の流れが速かったので、雲が切れないかと思ったけど駄目でした。近いうちに、また近くに行く予定があるので、次回に期待です。
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西園地には湿生植物園としてビオトープが造られています。小池に数種類の水生植物が観られます。雨上がりだったせいか、池辺に近づくとたくさんの蛙が池に飛び込んでいきます。本当はもう少し早ければ水生植物の花も観られたんですが、またの機会に。。
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それでも少ないけど、小さな花や実が観られました。ミズアオイの花は名前の通り、青いんですねえ。
アップで撮ったのはコウホネ。スイレン科の湿生植物です。僅かだけど黄色の花と実が観られました
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池を覆い隠すように浮かぶのはガガブタ。ミツガシワ科の湿生植物。アップすると柏の形がハッキリします。絶滅危惧種に指定されています。

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帰り道、木場潟近くの田園地帯で蕎麦畑を見つけました。この田園地は木場潟から水を引いています。
蕎麦の花がこんなに咲いているのを観たのは、今秋は初めて






水花や白山は見られませんでしたが、まあ花より団子ということで、離れた所にある道の駅・こまつ木場潟に寄ってみました。久しぶりだなあ。。
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以前に一度UPしていますが、道の駅・こまつ木場潟は石川県内を走る国道8号線沿いでは初の道の駅として、5年前に開駅したものです。
小松市とJA小松市が主導していて、コシヒカリの地元ブランド米「蛍米」や地場野菜・工芸品を販売する直売場とレストランがあります。更にJAが運営する特徴で、栽培講習から受けられる市民農場もあります。

レストランの名前は「味処 四季彩亭」。ちなみに、この四季彩亭はオープンから指導監修を行っていたのが、かの料理の鉄人・和の道場六三郎さん。道場さんは山中温泉の出身で、地元の山中温泉やこの木場潟、辻口博啓氏が校長の「スーパースイーツ製菓専門学校」に続く来季開校予定の「スーパースイーツ調理専門学校」にも他の鉄人3人と並んで名誉教授に名を連ねています。たしか80才を越えたと思いますが、まだまだお元気ですねえ。

四季彩亭では食材は小松の地場産を使用しています。人気メニューは小松産トマトを使ったトマトカレー、道場さん監修の「六さん健康おにぎり定食」がありますが、今回は小松ちからうどんにしました。小松うどんも売りの一つになっています。
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小松うどんのルーツですが、、、、小松うどんの名前は江戸時代から存在したそうで、小松市広報や小松うどんつるつる創研のHPから抜粋すると、、

「加賀藩の名物は何か」 「はっ、小松のうどんでございます」
と、そんな会話が実際にあったかどうか知らないが、幕府の巡見使に名物を聞かれたら、金沢の象眼鐙(ぞうがんあぶみ)と染手綱(そめたづな)、小松の長機二重堅絹(ふたえかたぎぬ)と干饂飩(かんうどん)などを答えることになっていたらしい。江戸時代宝暦5年(1755)の『御国御目付衆江御答帳』という書物にそう書かれている。
それより前、小松のうどんは、あの松尾芭蕉にも贈られていた。元禄2年(1689)、奥の細道の旅の途中、小松の俳人・塵生(じんせい)が乾うどん二箱を届けたのに対し、芭蕉が「殊に珍敷(めずらしき)乾うどん」をありがとうと書いた返書が残されている。
さらに元禄7年(1694)の『小松旧記』でも、小松町奉行から加賀藩の台所奉行にあてた返書『干饂飩のこと』の中に、細かい注文と、製造者として八日市町の亀屋徳右衛門の名が記されている。
徳右衛門は、注文どおり小麦の二番粉を使い、普通は足で踏んで練るところを特別に手で練り、炭火で乾燥して仕上げたという。でき上がったうどんは、藍で「亀」と印を押し、墨で「干うどん」と書いた紙に包んで贈られたらしい。(こまつ観光物産ネットワーク から抜粋)


芭蕉にうどんが贈られて喜ばれたのは知っていましたが、加賀藩が加賀の名物を聞かれたら、こう言えにうどんが含まれるというのは知りませんでした。。
詳しいことは知りませんが、金沢市内を歩いたり通ったりすると、うどんや丼物の食堂で「加登長(かどちょう)」をよく見かけますが、小松市云わく

明治になると、小松駅近くに『加登長(かどちょう)』といううどん屋ができ、広く庶民が味わえるようになった。実はその店を開いたのは、初の公選小松市長・和田伝四郎氏の叔父・和田長平氏だった。明治30年(1897)、鉄道が開通する直前に駅前の角に店を出したのである。この加登長は人気店となり、のれん分けによって次々と店が増えていった。 現在金沢市でよく見かける「加登長」が、実は小松で誕生した大衆的な「小松うどん」のルーツであることは、ほとんど知られていない。現在小松市内に店舗がなくなってしまったことが惜しまれる。(こまつ観光物産ネットワーク から抜粋)

ただ、僕もたまに行きますが、近江町市場近くの加登長総本店は明治24年創業、金沢うどんの元祖を唱っています。真偽の程は詳しく解らないのです。知ってる人が居たら教えてほしいものです。この辺りは他の人に譲るとして、、、、とはいえ、小松市内では。。。別にも

明治38年(1905年)には、現在の西町で三津野菊松氏が『中佐』を開いた。菊松さんには兄弟が多く、それぞれが『中佐本店』『中佐西店』『中佐北店』などを開業。その後、それらの店で修行を積んだ人たちが、中佐の味にあやかって『中石』『中音』『中定』『中芳』などの屋号で独立し、小松は知る人ぞ知るうどん所となった。(こまつ観光物産ネットワーク から抜粋)

というわけで、小松はうどん処として、今も昔も知られているわけです。
現在は白山麓などの蕎麦が台頭して、蕎麦の認知度も上がりましたが、石川県内でも僕の小学生時代までは麺と云えばうどんと云える状態でした。高学年の頃から、地元の八番らーめん・中華のチュウ、名古屋の寿がきやが台頭してラーメンが広まった感じ。。おかげで、現代では麺王国と云っても過言じゃないほど、うどん・蕎麦・ラーメンの店舗がひしめいています。
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うどん王国とまちづくり発展を目指す小松では、芭蕉も愛したという故事をもって大々的に「小松うどん」を打ち出しています。
元々、うどん店舗が多かった小松では、細うどん麺という共通点はあるものの、いろいろな種類のうどんがあったのですが、平成22年に小松うどんつるつる創研を設立、幾つかの基準を設けて(ちょっとププッとするのもありますが)、加盟店を募り現在は70店舗以上に広がっています。小松市内を通ると小松うどんの幟をよく見かけるようにブランドの広域化を進めています。こまつ木場潟の四季彩亭もその一店舗になっています。
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小松うどんの定義(こまつ観光物産ネットワーク HPから) 
※小松市内で製造された麺であるべし
※手打ち、手打ち風のものであるべし
※加水量は、小麦粉重量に対して35%WW以上、52%WW未満を基準とするべし
※食塩水濃度10%を基準とすべし
※白山水系の水で仕込むべし
※出汁は、うるめ・むろあじ・さば節等を主に用い、昆布をふんだんに使いひくべし
※具材は「じのもん(地の物)」を出来る限り使うべし
※こまつの発展を願い、茹で上げるべし


旅行日 2015.9.9

                                  木場潟公園 西園地


                                  道の駅 こまつ木場潟

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この記事へのコメント

  • がにちゃん

    うどんは四国だけに非ず ここ加賀にも御座るので御座るなんですね
    知りませんでした コマツのうどん 食べてみたいですね
    2015年09月15日 21:08
  • つとつと

    がにちゃんさん
    県内にも讃岐うどんは進出してますが、地元もけっこう善戦しています。
    石川は食べるものには結構貪欲なんですよ^^;人口の割に食べ物やお菓子と云った口に入るお店が多いんです。和菓子・洋菓子・カレー・回転寿司・焼肉は全国トップクラス、麺類や食堂も多いんですよ。その代り、店舗の入れ替わりも激しいんですよ。
    ちょっと行けば、必ずお店がある感じ^^;
    2015年09月16日 02:06
  • イータン

    こんばんは~

    天皇 皇后両陛下の植樹祭は三大行幸啓と呼ばれているのですね。
    ご高齢になられても多忙な行事が目白押し 大変だなって感じます。

    湿生植物園の植物には中々出合えません。
    スイレン科の種類もいろいろ有るのですね
    そして、蕎麦の白い花 綺麗ですよね 
    ピンクの蕎麦の花も有ること、つとつとさんご存じですか?
    白と同じく可愛いですよ。
    2015年09月16日 23:19
  • つとつと

    イータンさん
    白山麓に先日一旦ですが、花はまだみたいでした。
    信州の方にピンクの蕎麦畑があると、誰かに聞いたことはあるんですが、いまだに観たことがないんですよ。どんななんだろう。。信州の蕎麦はまた違った味わいで好きなんですが、しばらく食べてないんですよ。。松代、十日町に行ったら、また食べてみたいなあ^^
    水辺の植物は、やはり湖面が穏やかなことと、外来種が居ないのが大きな条件になるようです。今度はもっと早く行って、花が咲く時期にみたいです。
    2015年09月17日 20:28

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